自営業だけどおまとめローンを使いたい!
キャッシングやカードローンについて調べていると、事業性資金として使うことを認めていないものが少なくないことがわかります。もし、個人ではなく事業主、自営業者、フリーランスなどがキャッシングをしたいと思った時、とくにおまとめローンを利用したいと思ったら、どうすればよいのでしょうか?
見逃せないおまとめローンのメリット
おまとめローンとは、その名前の通りいくつかの借り入れをひとつにできるローンです。まずは、おまとめローンのメリットについて解説します。
おまとめローンで返済日を1日にできる
複数の借り入れがあると、返済日が次々とやってきます。まさに「借金に追われている」と、なりがちで精神衛生上よろしくないといえるでしょう。
また、返済日を間違えていて、うっかり延滞してしまう人も少なくありません。うっかりミスだったとしても遅延は遅延。信用情報にキズがついてしまうことになります。しかし、おまとめローンで返済日を1日にまとめれば、もうそのような失敗もありません。
金利をより低くすることができる
通常、キャッシングやカードローンは融資額が大きくなるほど金利は小さくなります。おまとめローンは総量規制がかからない場合もあるなど、大きな金額を借りられるため金利は低くなるというわけです。
金利が低くなれば利息を抑えられるので、総返済額を減らすこともできます。ただし、元々どのような借り入れがあったのか、どのおまとめローンに一本化しようとしているのか、組み合わせ次第では必ずしも金利は低くなりません。慎重にシミュレーションするようにしてください。
総量規制とは?
消費者金融は貸金業法により利用者に年収の3分の1以上を貸し付けてはいけないことになっています。これを総量規制といいますが「無理なくご返済できるように」と、利用者を守るために定められました。おまとめローンは利用者の生活を楽にすることを目的のひとつとしているため、総量規制外となることもあるのです。
おまとめローンの気になるデメリット
おまとめローンにはさまざまなメリットがありますが、もちろんデメリットも忘れてはいけません。とくに自営業者にとっては、必ずしも利用しやすいわけではない点に注意してください。
自営業者は審査を通過しにくい
自営業の場合「資金繰りが悪くなり、いつの間にか複数の借金を抱えていた」というケースもめずらしくないものです。そんな時、ぜひともおまとめローンを利用したいところですが、門前払いというケースも結構あります。
じつは自営業者はおまとめローンの審査を通過しにくいというのはご存知でしたか?自営業者の中には一般的なサラリーマン以上に年収がある人も少なくないはずです。にもかかわらず「決まった収入の保障はない」と、見なされるために、自営業ではアルバイトやパート以上にシビアな審査を受けなくてはいけません。
返済総額が多くなってしまうことがある
毎月の返済額を少なくできるおまとめローンですが「できる限り多めに返済していく」ことも大事です。返済額が少ないということは、それだけ長期に渡って返済しなくてはいけません。たとえ金利が低くなったとしても「結局、まとめる前の返済総額をオーバーしていた」という本末転倒な事態にも陥りかねないのです。
おまとめローンは返済総額を減額できてこそ契約した甲斐があるともいえます。毎月の返済額を一番小さくしてくれるおまとめローンが最適とも限りません。最終的にお得なおまとめローンを賢く選択するようにしましょう。
自営業者がおまとめローンの審査を通過するには?
一般的に自営業者はおまとめおローンの審査を通過しにくいといわれています。そんな中、自営業者がおまとめローンを利用するにはどうすればよいのでしょうか。
法人経営にしておまとめローンを利用する
自営業者の中には平均的なサラリーマンよりも稼いでいる人もたくさんいるでしょう。しかし、会社員のように毎月決まった収入がある保障はありません。そのため、安定収入がない=返済能力に問題ありと見なされ、おまとめローンの審査を落ちてしまうのです。
もし、おまとめローンの審査を通過したいならば、法人経営にするのもひとつの方法です。株式会社として登録すれば、貸す側も会社謄本で会社の実在を確認できますし、それだけ社会的信用度が高まります。
自営業者は提出書類をしっかり準備する
おまとめローンはお申し込みの際に本人確認書類と収入証明書類が必要になります。本人確認書類としては次のようなものが有効です。
- 運転免許証
- パスポート
- マイナンバーカード
- 健康保険証
健康保険証は国民健康保険ではなく社会保険、社名入国保などにすれば、より審査を通りやすくなるといわれています。
また、フリーランスは給与明細書や源泉徴収票がありません。収入証明書類として次のようなものを用意しておきましょう。
- 税務署通知書
- 所得証明書
- 確定申告書
さらに、金融機関によっては営業状況確認書類が必要になることもあります。来年度の事業計画、収支計画、資金計画などを記入する書類です。それぞれの銀行、消費者金融ごとの必要書類一覧をよく読んで準備するようにしましょう。
自営業向けのカードローンを利用する
カードローンの中には、自営業OKというものもあります。おまとめローンを名乗っていなくても、利用限度額が大きければ十分おまとめローンとして活用できるでしょう。
ローン名 | 特徴 | 金利(実質年率) | 限度額 |
---|---|---|---|
アイフル | 最短18分で融資 | 年4.5%~18.0% | 最大500万円 |
プロミス | 来店不要で申し込み可/最短3分で融資 ※お申込み時間や審査によりご希望に添えない場合がございます。 |
年4.5%~17.8% | 最大500万円 |
SMBCモビット | 最短30分で融資/10秒簡易審査あり ※申込の曜日、時間帯によっては翌日以降の取扱となる場合があります |
年3.0%~18.0% | 最大800万円 |
楽天銀行スーパーローン | 楽天市場と提携 | 年1.9%~14.5% | 最大800万円 |
信用金庫のおまとめローンを使う
じつは、信用金庫のローンは自営業OK、おまとめ目的可としているものが少なくありません。地域経済を活性化するという目的を持つ信用金庫ならではといえるでしょう。自営業者にもおすすめの信用金庫のローンを紹介します。
兵庫信用金庫 フリーローン「ドリーム」
兵庫信用金庫の営業エリア内に住んでいるか勤務している、個人または個人事業主が利用できます。使途目的は自由で、事業性資金、おまとめ資金での利用も可能です。
融資限度額 | 最大500万円 |
---|---|
返済期間 | 3ヶ月以上10年以内 |
金利(実質年率) | 固定金利4.0%、5.0%、8.0%、11.0%、14.0%のいずれか |
青梅信用金庫 フリーローンビジネス
青梅信用金庫の営業エリア内に住む個人または個人事業主を対象といています。事業資金として使うのであれば、運転資金、設備資金、おまとめを問いません。インターネットから申し込むこともでき大変便利です。
融資限度額 | 10万円~最大500万円 |
---|---|
返済期間 | 3ヶ月以上10年以内 |
金利(実質年率) | 6.0 %~12.0% |
自営業でも使えるおまとめローンもある!
最後に、今回の記事のおさらいをしましょう。
- おまとめローンは返済日を1日にできる、金利を低くすることができる、総量規制がかからないこともあるなどメリット満載。
- しかし、月々の返済額を小さくし過ぎると返済総額を増やしてしまうこともあるので要注意。また、自営業者は審査を通過しにくい。
- 自営業者がおまとめローンを利用したいならば、法人経営にして収入証明書類を整えるなどの準備が大事。
- 自営業者歓迎のおまとめローンを利用するのもひとつの方法。
複数の借金を抱えてまさに自転車操業というありさまならば、一度経営状態を見直す必要があります。その時「おまとめローンで借り入れを一本化しよう」という結論になるのは至極まっとうなことです。一般的にローンは事業性資金としての使用を認めないなど、自営業者には厳しいといっても過言ではありません。しかし、おまとめ目的ならば特別に門戸が開かれていることもあるので探してみてはいかがでしょうか。