カードローンも事業性資金に使えるの?
会社を経営していると資金繰りに困り「月末までお金を借りたい!」というようなこともあるものです。そんな時、使途目的を問わないはずのカードローンを利用しようとして「事業性資金は除く」という注意書きに驚く人も少なくありません。ピンチを切り抜けるにはどうすれば良いのでしょうか?
そもそも事業性資金とは?
いったい、事業性資金とはどのようなものなのでしょうか?
経営円滑化に必要な事業性資金
事業性資金とは、事業を行うために必要とする設備投資資金、運転資金などのことです。会社の収益をさらに上げるための資金といっても良いでしょう。
もちろん、銀行でも事業性資金の融資を行っていますが資金投入によって経営が上向きになり収益が上がると見込まれる時だけ審査通過できます。単なる支援サービスではないため、収益アップが見込めそうにない場合には利用できない点に注意してください。
事業性資金は金利が低い
銀行から事業性資金としてお金を借りる場合、1%~3%という非常に低い金利が相場になっています。とくに地方銀行では、地元企業を成長させて地域経済を活性化するという目的のもと、積極的に事業性資金を貸し付けていることも少なくありません。
事業性資金の金利が低いのは国債の長期金利を基準としているためです。ただし、銀行は法人の格付けを行っていて、ランクごとに違う金利を設定しています。低金利で利用できるのは格付けランクが高い企業のみということもあるので注意しましょう。
事業性資金で起業することも可能
事業性資金は起業時に利用することもできます。格付けのかわりに創業計画書が重視されるので、次のような項目をきちんと記載して将来性をアピールしましょう。
- 創業に至るまでの経緯
- 業種を選択した理由
- 起業前のキャリア
- 仕入れや必要経費の見込み
- 目標とする売上金額
- 融資金額を何に利用するのかその内訳
- 事業が軌道に乗るまでの生活資金
じつは起業時が融資のチャンス
起業してまもなくは赤字という起業も少なくありません。起業後に事業性資金を借りようとすると決算書、確定申告書などからマイナス評価を受け、金利が高くなってしまうことも。まだネガティブな要因がない起業時の方が低金利で融資を受けられることもあるので積極的に活用していきましょう。
事業性資金としてカードローンを利用したい時どうする?
個人向けのカードローンは事業性資金としての利用を禁じているケースがほとんどです。しかし、事業性資金としてカードローンを活用する方法もあるというのはご存知でしたか?
個人向けカードローンをこっそり流用するのはNG
実際のところカードローンで借りたお金をどう使ったか報告する義務はありません。「内緒で事業性資金として流用してもバレないのでは?」と、思う人もいるでしょう。しかし、発覚する可能性もゼロではありません。
もしも、個人向けカードローンで事業性資金のためにお金を借りたことがわかれば契約違反と見なされます。契約違反が明らかになった時点で借入金額を全額返済しなければいけないルールなので、リスクは高いといわざるをえません。
事業者向けカードローンを利用しよう!
じつはカードローンには個人向けだけではなく事業者向けのものがあります。事業者向けカードローンならば事業性資金を借り入れることに何の問題もありません。事業向けカードローン、またはビジネスカードローンなどと呼ばれる商品には次のようなものがあります。
オリックスVIPローンカードBUISINESS
事業性資金としてはもちろんのことプライベートにも利用できます。6つのコースから選択し、利用枠の範囲内ならば業界TOPクラスのATMネットワークからいつでも追加で資金調達もでき大変便利です。
契約枠 | 金利(実質年率) |
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50万円 | 8.0%~17.8% |
100万円 | 6.0%~14.9% |
200万円 | 6.0%~14.9% |
300万円 | 6.0%~14.9% |
400万円 | 6.0%~14.9% |
500万円 | 6.0%~14.9% |
プロミス自営者カードローン
事業性資金の他、プライベートな資金として使うこともできます。希望に応じて即日融資も可能です。融資希望金額が50万円以下で他社からの借り入れがなければ確定申告書が不要なケースもあります。
融資限度額 | 300万円 |
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金利(実質年率) | 6.3%~17.8% |
返済期間・返済回数 | 最長6年9ヶ月・1~80回 |
りそな銀行りそなビジネスローン「活動力」
法人または個人事業主のお客さまを対象としていますが、アイフル株式会社の保証を受けられる、信用保証協会利用対象業種である……など細かい条件があります。とくに個人事業主の場合は、りそな銀行の事業者用口座を持っていることが前提です。創業資金として利用することもできます。
融資限度額 | 500万円(決算書2期未満は100万円) |
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金利(実質年率) | 6.0%、10.0%、14.0%のいずれか |
琉球銀行りゅうぎん事業者カードローン「事速300」
創業3年以上の法人、個人事業主を対象としています。沖縄県内に本社があり、申し込み時点で琉球銀行と3年以上預金取引をしていることが必須条件です。審査に時間がかかりがちな銀行であるにもかかわらず、スピード審査にも対応しています。
融資限度額 | 300万円(平均月商の3ヶ月以内が上限) |
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金利(実質年率) | りゅうぎん所定金利(要問合せ) |
事業者向けカードローンのメリット・デメリット
法人や個人事業主が事業性資金を借りる時、銀行から融資を受けるという方法もありますが、事業者向けカードローンならではのメリットも少なくありません。一方、デメリットもあるので注意深く検討してください。
事業者向けカードローンは申し込みが簡単
銀行の融資を受けるには決算書や定款など数多くの書類を提出しなければいけません。しかし、事業者向けカードローンならば本人確認書類、2年分の確定申告書または青色決算報告書で十分です。
また、銀行の融資はもちろんのこと事業者向けカードローンは審査に時間がかかります。一方、消費者金融の事業者向けカードローンならば即日融資も可能です。急にお金が必要になった時、心強い味方となってくれるでしょう。
事業者向けカードローンは審査がゆるめ
銀行で融資を受ける際には経営方針やビジョンを明確に説明し、厳しい返済能力チェックにも対応できるようにしなければいけません。ところが、とくに消費者金融の事業者向けカードローンは審査がゆるめです。安定収入があり、信用情報にキズがなければ、審査を通過することができるでしょう。
法人ではなく個人事業主が消費者金融の事業者向けカードローンを利用する場合は、担保も保証人も不要です。逆に不動産を担保にして利用限度額を引き上げることができるカードローンもあるので検討してみてはいかがでしょうか。
事業者向けカードローンは金利が高め
一般的にカードローンは利用額が大きいほど金利も小さくなります。たとえば、個人向けカードローンならば800万円で年利3%というケースもあります。法人は利用額が大きいので低金利が期待できると思っている人も多いでしょう。
しかし、じつは事業者向けカードローンでは金利は低くても6%程度です。どうしても銀行から融資を受けるよりも金利は高くなってしまいます。だだし、銀行からの融資の金利が低いのは、まとまった金額を長期間にわたって借りることになるからです。一方、事業者向けカードローンでは利用限度額を高めに設定したとしても、必要な分だけを借りてすぐに一括返済するなど、自由に使うことができます。
事業性資金はカードローンで調達しよう!
最後に、今回の記事のおさらいをしましょう。
- 事業性資金とは事業を行うために必要な資金のこと。
- 事業性資金は銀行から低金利で融資を受けることもできるが提出書類が多く審査も厳しい。
- 個人向けカードローンは事業性資金に使えないが、事業者向けカードローンならばOK!
- 事業者向けカードローンならば簡単に申し込むことができる。
- 消費者金融の事業者向けカードローンは即日融資も可能。
確実に事業者向けカードローンの審査を通過したいならば、資金繰りが悪くなる前に、もしもの時に備えて準備しておくことをおすすめします。もし、カードローンの審査に落ちてしまった場合には、日本政策金融公庫を利用するという方法も!地域活性化を目的として設けられた制度なので、地方における雇用の創出が期待できるなどいくつか利用条件はあります。もし、一致しているならばぜひ利用してみてはいかがでしょうか?