知らないと怖い!クレジットカードの強制解約
退会届を出したわけでもないのに、ある日突然クレジットカードが使えなくなってしまった……それはもしかしたら、強制解約が発動したのかもしれません。便利なクレジットカードも代金支払いを滞納してしまうと段階的に督促が行われて、最終的に強制解約になります。強制解約に至るにはいくつかの原因があります。
さらに支払いが行われなければ財産が差し押さえられます。3カ月ほど滞納をすると信用情報機関にも「異動情報」が記載されます。強制解約させられた時の対処法などについて解説しましょう。
クレジットカードの強制解約とは?
たとえば限度額に到達すれば、当然のことながらクレジットカードは一時停止です。しかし、きちんと返済をして利用可能額が増えればまた使えるようになります。そのような復活のチャンスがない強制解約とはどのようなものなのでしょうか。
強制解約は永久停止
クレジットカードの強制解約とは、カード会社から契約を打ち切られることです。一時停止の場合と違って、永久に復活する望みはないものと思ってください。
強制解約されたという情報は個人信用情報機関に登録されます。信用情報を著しく落とし、いわゆるブラックリストとなってしまうのでくれぐれも注意が必要です。
約款にも記載がある強制解約
「強制解約されるなんて聞いてない」と、いう人もいるかもしれません。しかし、じつはクレジットカードを契約する際、利用者は強制解約に同意しているのです。たとえば、イオンカードの会員規約にも以下のような記載があります。
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第3条(中止・解約・終了)
❶原債務またはイオンクレジットに対する債務の不履行や信用情報機関の信用情報等に基づき、イオンクレジットが債権保全を必要とする相当の理由が生じたときは、いつでもイオンクレジットはこの保証を中止し、または解約することができます。この場合、銀行から私に対するその旨の事前または事後の通知をもってイオンクレジットの通知に代えるものとします。
❷本条❶項によりイオンクレジットから保証が中止または解約されたときは、私は、直ちに原債務の弁済およびその他必要な手続をとり、イオンクレジットには一切の負担をかけません。
❸原契約が終了した場合は、本契約も当然に終了するものとします。この場合、私は、イオンクレジットが保証委託契約証書を私宛に返却しない取り扱いをしたとしても異存ありません。
強制解約には理由がある
クレジットカードが強制解約されるおもな理由は3つあります。会員本人による不正使用、3ヶ月以上の延滞、信用情報の悪化です。
会員本人による不正使用
クレジットカードの会員本人による不正使用とは、たとえばショッピング枠の現金化です。商品券などの換金性の高いものばかりを購入して、それを売って現金化していることが発覚すれば強制解約となります。
ショッピング枠の現金化は違法行為ではありません。しかし、どのカード会社も利用規約で禁止しています。現金化を専門とする業者に依頼すればバレないともいわれていますが、利用規約に違反することにかわりはなくおすすめできません。
3ヶ月以上の滞納
多少の延滞でただちに強制解約になることはありません。クレジットカードは一時的に利用停止になりますが、返済が済めばまた使えるようになるでしょう。
しかし、延滞が3ヶ月以上続いている場合は要注意です。気まずいからといって督促電話に出なければ「支払いの意志なし」と見なされて強制解約になります。もし、返済が難しい事情があるならば早めにカード会社に相談するようにしてください。
信用情報の悪化
「A社のクレジットカードはきちんと返済していたのに、B社を滞納していたらA社もB社も強制解約になってしまった」という例もあります。どのカード会社も個人信用情報機関を通じて他社の返済状況もチェックできるようになっているため、このようなことが起きるのです。
個人信用情報機関には「高額のカードローンやキャッシングを契約した」という情報も記録されます。カード会社によっては「今後のうちの支払いに影響が出るかもしれない」と、強制解約に踏み切るところもあります。最近のカード会社は発行審査を甘くするかわりに、その後の信用情報の変化を慎重に観察する傾向があるので注意してください。
強制解約させられたらすぐに行動!
クレジットカードの強制解約にショックを受けるのは当たり前です。しかし、落ち込んでばかりもいられません。もし、クレジットカードを強制解約させられたら、すぐに行動しなければいけないこともあります。
公共料金の支払い方法を変更
クレジットカードによる公共料金支払いはポイントもたまりやすいので、活用している人も多いのではないでしょうか。しかし、クレジットカードが強制解約になってしまうと、たちどころに支払いがストップしてしまうので要注意です。
強制解約されたことがわかったら、できるだけ早く公共料金の支払い方法を変更するようにしてください。電気、ガス、水道も支払いが滞れば止められてしまいます。クレジットカードだけではなくライフラインまでストップしては泣き面に蜂です。
携帯電話やネット回線の支払い方法を変更
携帯電話料金、ネット回線の接続料などもクレジットカード払いにしていませんか?強制解約させられたら、すぐに銀行口座への引き落としなどに変更しましょう。携帯電話やネット回線も料金未払いで止められてしまうので注意してください。
とくに携帯電話の端末をクレジットカードによる分割払いで購入しているならば、強制解約で支払いが止まると信用情報にさらにキズがついてしまいます。支払い方法を口座振替などに速やかに変更してください。
できれば一括返済を!
多くのクレジットカードは強制解約になったからといって一括請求されることはありません。もともとリボ払いや分割払いを選択していたならば、強制解約後も変わらないペースで返済していくことになるでしょう。
しかし、中にはジャックスカードのように一括請求してくるカード会社もあります。さらに延滞を繰り返すようでは信用情報にますますキズがついてしまいますし、できれば一括返済を目指しましょう。
クレジットカードの強制解約による悪影響
クレジットカードを強制解約になると、さまざまなところに悪影響を及ぼします。「クレジットカードがなくなって買物が不便」というだけではすまないのです。
個人信用情報機関に記録される
クレジットカードの強制解約は個人信用情報機関に5年間記録されます。審査落ちなどの記録が半年で消えるのと比較して、重大な金融事故と見なされているということです。
したがって、今後5年間は新しいクレジットカードを作るのは難しくなるでしょう。ただし、カードローンはクレジットカードの審査基準と異なるため、強制解約後も利用できることもあります。
住宅ローンや自動車ローンが組めない
強制解約の記録が個人信用情報機関に残っている5年間は、自動車ローンも住宅ローンも審査を通る可能性はほとんどありません。いざ新婚生活を始めようとした時に車も家も買えない……というように、未来の自分に悪影響を及ぼすのです。
さらに、賃貸マンションやアパートに入居する際にも信用情報をチェックされるというのはご存知でしたか?信用情報の中でもクレジットカードの強制解約というのは重く受け止められがちです。希望する物件を借りることができない……という状況も十分ありえます。
知らないと怖い!クレジットカードの強制解約
最後に、今回の記事のおさらいをしましょう。
- クレジットカードの強制解約とは無期限利用停止のこと。
- クレジットカードを契約する時、利用者は強制解約について同意している。
- 強制解約は本人による不正使用、3ヶ月以上の延滞、信用情報の悪化などで発動する。
- クレジットカードで公共料金、電話料金、ネット回線料などを支払っているならば、強制解約後はただちに支払先を変更する。
- 強制解約された記録は信用機関に5年間残り、クレジットカードの審査、自動車ローン、住宅ローンなどに悪影響を及ぼす。
強制解約された記録が信用機関から消えても、同じ会社のクレジットカードを作ることは2度とできないでしょう。なぜならばカード会社はそれぞれ独自に管理している顧客データも持っているからです。ネットの口コミや評判を調べてみても、強制解約されたカード会社のクレジットカードをもう一度作ることができたという体験談は見当たりません。もし、強制解約された過去があるならば、クレジットカード一覧などから比較的審査が甘そうなものを選択して申し込んでみてはいかがでしょうか。