「学生ローン」って何?普通の「消費者金融」とどう違う?
お金を借りたいのは、何も社会人だけではありません。
「旅行に行きたいけどお金が足りないなぁ」「遊びすぎて学費が払えない!」など、学生だって、お金が足りずに借りたいと考えている人も多いはずです。
しかし家族に相談することも出来ませんし、まわりの友人に迷惑はかけられません。どこかから借りるにしても親にはバレたくない!という学生さんも多いでしょう。
そこで生まれてきたのが「学生ローン」です。
「学生ローン」は古くからある「フリーローン」の一種
学生ローンとは文字通り、学生にもお金を貸してくれるローン会社のこと。学生ローンは学生専用のキャッシングサービスとして誕生しました。学生に特化していますが、法律上は一般の貸金業者(SMBCモビットやアコムなどの消費者金融)と大きな違いはありません。お金を借りる必要がある学生にとっては頼りになる存在です。
では、わざわざ”学生”とつく「学生ローン」と一般の「消費者金融」との違いは何でしょうか? その大きな違いは学生ローンは古くからある「フリーローン」であることです。
「学生ローン」の特徴とは?
最も重要なのが学生ローンは学生であれば未成年でもお金を借りられる可能性があることです。顧客対象は学生に限ります(大学生・短大生・専門学校生・予備校生など) 。そのため契約する際には当然学生証が重要になります。その他、免許証か保険証などの本人確認書が必要になります。
学生ローンは「フリーローン」の一種なので借りる度に申し込みが必要
デメリットとしては学生ローンは「フリーローン」の一種だということです。「フリーローン」とは借り入れ目的や利用使途を問わない、自由な(フリー)借金(ローン)という意味。事業性資金や投機性資金でなければ何に使っても構いません。その意味で自由なのです。
しかし何に使っても良くても、追加で借り入れる際には、いちいち電話や店頭で借り入れを申し込む必要があります。また一般的に学生の収入が低いことから利用限度額も低いです。これが今の消費者金融で一般的な「カードローン」との違いです。この点については後述します。
小さな街金が多く、借り入れ方法が制限されます
その他のデメリットとしては、借り入れ方法の選択肢が少ないことです。一般的に学生ローンを取り扱う企業の規模は、個人経営に近いくらい小さいものが多いです。そのためお金の借り入れ・返済方法となると、「A.店舗にいって直接借りる」「B.銀行振込で振り込んでもらう」の2種類しか方法が無い場合が多いです。
「学生ローン」の特徴まとめ
- 利用者は学生のみ(学生証が必要)
- お金を借りる都度、申し込むフリーローン
- 利用限度額が低い
- 小さい消費者金融(街金)が多い
- 借入・返済手段が店頭・振込に限られる
「消費者金融」との違いとは?
消費者金融は全国規模の大きな会社が多いです。その多くが銀行の関連会社となっており、「フリーローン」の他にも「カードローン」「おまとめローン」といったサービスを提供しています。最大の特徴は主力商品が「カードローン」であること。限度額以内であれば、いつでもどこでも何度でもローン専用カードを使って自由に追加で借り入れが出来ます。
学生NGも多い! 満20歳以上で安定した収入が必要
満20歳以上でアルバイトやパートでも安定した収入があれば、お金を借りられます。ただし学生NGというところもありますし、18歳、19歳の未成年であれば借りられる可能性はほとんどありません。これが学生にとって唯一にして最大のデメリットです。学生の場合、消費者金融はまだ可能性がありますが、銀行カードローンはほぼ全滅です。
電話による在籍確認など借り入れのハードルは高い
顧客対象はほとんどの消費者金融で20歳以上の安定した収入のある方です。そのため一般の消費者金融は収入証明書が必要となる場合が多く、勤務先・アルバイト・パート先などへ在籍確認の電話連絡が行きます。個人名充てですが、職場バレを懸念する人も多いです。
利用限度額は大きく、最高800万円~1,000万円とされています。
また一般に銀行カードローンでは学生用のキャッシングサービスは取り扱っておらず、消費者金融のみでの契約になります。
消費者金融の多くは「カードローン」なので限度額まで何度でも借りられる
大手の消費者金融では、コンビニや都市銀行の提携ATMでも借り入れ・返済を行うことができます。ATM手数料無料というサービスもしばしば見受けられます。返済は銀行口座からの引き落としが一般的です。
「消費者金融」の特徴まとめ
- 利用者は社会人が基本(収入証明書が必要)
- 利用限度額まで何度でも追加で借りられるカードローン
- 学生というより20歳以上の社会人・パート・アルバイトへの貸し付けが基本
- 勤務先に在籍確認の電話連絡がある
- 利用限度額が大きい
- 全国規模の大きい消費者金融が多い
- 借入・返済手段が店頭・振込以外にも提携ATM・引き落としなど多彩
「学生ローン」と「消費者金融」を比較すると?
大きく言ってしまうと、満20歳以上の学生で融資を受けるという面では「学生ローン」と「消費者金融」の間にあまり大きな差はないです。学生ローンだからと言って、18歳、19歳でも学生ならばお金を借りられるか?というとそういうこともありません。むしろ貸してくれるのは少数派です。
学生ローンなら未成年でもお金が借りられる可能性があります
しかし「学生ローン」というだけあって、未成年でも学生ローンであれば借りられる可能性があります。学生ローンのほうが学生の皆さんは融資を受けやすくなっています。そこが学生ローンを消費者金融が取り扱うキャッシングサービスと比較した時の最大のメリットです。
逆に言えばそれ以外の面では消費者金融などのキャッシングサービスの方が遙かに上なのです。その質にどのような違いがあるのでしょうか?以下で詳しく見ていきます。
「学生ローン」と「消費者金融」で比較すべきポイント
「学生ローン」は未成年でもお金が借りられる!
学生ローンでは学生が利用しやすい状態になっているのが特長でしょう。勤務形態などはパート・アルバイトのみが対象になりますが、勤務日数なども消費者金融のカードローンに比べると学生が契約しやすくなっていることが多いです。そして何よりも大きいのが学生ローンは未成年でも借り入れするチャンスがあることです。
安定した収入があることが条件になりますが、特例的に貸してくれるのです。逆に言えば20歳以上であれば学生ローンよりも一般の消費者金融で借りた方が良いです。
「学生ローン」には18歳、19歳でもお金を貸してくれる業者がある
学生ローンでは18歳以上でも申込みができる所があります。大学生、専門学校生など、高校生でなければ対象の学校は特に指定がないことも多いです。なので、慎重に借り入れ先を探しましょう。
未成年はリスクの塊! 契約も無効に出来る!?
実は18歳、19歳は成人では無いため法律上、一人前の契約者として扱われません。そのため保護者である親の同意がない契約は無効にできるのです。これは貸金業者からすれば貸し倒れのリスクが高いことを意味します。そのため未成年にも貸してくれる学生ローンはそうとう無理をしながら顧客を開拓しているのです。
安定した収入と身分証明書、学生証が必要です
もちろん学生ローンからお金を借りるときにも審査があります。この審査では「本人確認資料」を提出しなければいけません。
本人確認資料とは「学生証」と「身分証明書(運転免許証・健康保険証・パスポート)」の2点です。基本的に申込した本人と契約を行うので、親に連絡は行きません。しかし自己責任ということで安定した収入が必要となります。
審査は厳格! 提出書類の多さは未成年という問題のため
また学生ローンのなかには「銀行キャッシュカードの券面のコピー(or画像)」の提出を求めてくる会社もあります。これは銀行の口座情報を確認するためです。会社によって提出の有無が違いますので、申し込む前に必要な提出書類を確認しておきましょう。
ちなみに消費者金融・銀行カードローンでは、キャッシュカードの提出も必要ありません。これも学生ローンならではの特徴といえます。
学生ローンは東京一極集中!地方在住者は親バレに注意!
ほとんどの学生ローンは本社が東京にあります。来店契約では、その場で契約書を受け取ることができますが、東京近郊に住んでいない限り多くの場合ネット申込をすることになると思います。このネット申込で気を付けなければいけないのが「親バレ」です。
ネット申し込みは親バレしやすい!?
学生ローンはネット申込みをすると、必ず契約書が自宅に郵送されます。一人暮らしなら、問題はありません。しかし、家族と同居している場合、郵送されてきた契約書が見つかり親バレしてしまう可能性があるのです。
もちろん、学生ローン会社からの郵送物は、差出人名を会社名ではなく「個人名」にしてくれるなどの配慮もされます。しかし何らかの事情で開封されてしまったら、すぐにお金を借りていることがばれてしまいます。
上京して契約ぐらいしか回避方法は無い
地方在住者が契約書の郵送を防ぐ方法はありません。親バレの心配が無い方法としては、上京した際に急いで契約するぐらいです。しかし利便性は遙かに落ちますし、どちらにしろ後日、ローンカードや契約書などの郵送が必要な業者も多いです。
そのため18歳、19歳でどうしても学生ローンでなければダメ! という人は、各業者に個別に相談してみましょう。夜行バスで上京し、学生ローンで契約、数日間バイトしたり、マンガ喫茶・友達・親戚の家に泊まって、ローンカードや契約書類をすべて受け取って帰る、ぐらいの計画が必要です。
成人や地方在住者は無理せず消費者金融か銀行カードローンがおすすめ
20歳以上であれば、親バレを防ぐには消費者金融や銀行カードローンの「WEB完結を使う」、「自動契約機・有人店舗で契約する」という2つの方法があります。
WEB完結は申込みから契約まで、全てネット上でできるサービスです。さらに自宅宛てに契約書やローンカードの郵送をしなくても契約を終わらせることができます。
また、自動契約機・有人店舗で直接契約することができれば、その場で契約書とローンカードを手に入れることができます。どちらも自宅に郵送されることがないので、親バレの心配がありません。
消費者金融・銀行カードローンの自動契約機・有人店舗は、全国のいたるところにあります。学生ローンと比べて店舗数が多いので、来店契約がしやすでしょう。親バレしたくない!という場合には、学生ローンではなく消費者金融や銀行カードローンを使うことをオススメします。
学生ローンの借り入れ限度額は低い!
学生ローンも消費者金融に分類される貸金業者です。貸金業者ですから当然貸金業法の規制を受けます。総量規制によって年収の3分の1以上の金額を個人に対して融資することができません。そのため限度額はおのずと低くなります。
保証人が無ければ最高50万円。限度額10万円も一般的です
またほとんどの学生ローンでは利用限度額を50万円としています。どれだけお金を借りたくても50万円以上は借りられません。企業によっては年収に関わらず最高額は10万円までと決まっている学生ローンもあります。よく調べてから契約するようにしましょう。
学生ローンの金利は消費者金融より低金利!
学生ローンの金利は消費者金融よりもわずかに低くなっています。大手消費者金融と金利を比較してみましょう。
学生ローンと消費者金融の金利比較
学生ローン | 金利(実質年率) |
---|---|
カレッヂ | 17.0% |
Campus | 16.8% |
イーキャンパス | 14.5%~16.5% |
消費者金融 | 金利(実質年率) |
アコム | 18.00% | レイク | 18.00% |
プロミス | 17.80% |
しかしよく考えてみてください。50万円以下の少額融資では金利「0.5~1.0%」の違いは、少しの差にしかなりません。たとえば、10万円を1年間(365日)借りたときの利息を計算すると、下記になります。
- 学生ローン(Campus)・・・100,000円×16.8%÷365日×365日=16,800円
- 消費者金融(プロミス)・・・100,000円×17.8%÷365日×365日=17,800円
1年間で利息は1,000円しか変わりません。このように金利1.0%程度の違いでは、少額融資の利息差は大きな問題にはならないのです。
もちろんお金を借りる以上、節約はすべきですが、それよりも電車代や振込手数料などの差額の方が大きいでしょう。少しの金利差よりも利便性の方を重視すべきです。このような意味で、消費者金融と学生ローンの金利差はほとんど考えなくて良いと言えそうです。
学生ローンは借り入れが1度だけ!利便性が落ちる!
基本的に学生ローンではカードローンのように自由な借入はできません。申し込み時に店舗に来店して、その場で契約し、店頭で融資を受けます。そして一度だけ借入をしたお金を、少しずつ返済していく。それが一般的な学生ローンの借り入れ方法です。
いちいち追加融資を申し込まなければなりません
つまり学生ローンは使途が自由な「フリーローン」の一種なのです。いつでもどこでも何度でも、利用限度額まで借り入れが出来る「カードローン」とはシステムが違います。ただし追加融資ができないわけではありません。追加でキャッシングをしたい場合には2つの方法があります。
- 来店で追加融資を申請しその場で借入
- 電話で追加融資を申請し振込みによる借入
このように限度額までに余裕が出来ても、いちいち連絡をしなければならないのがデメリットです。消費者金融でいま主流のカードローンよりも、利便性は大きく落ちます。なので、特殊な事情で未成年が借りる以外はおすすめできないのです。
借り入れは店頭受け取りか振込キャッシングだけ!
学生ローンからお金を借りるときは、基本的に店頭で直接借りるか振込みキャッシングになります。
振込キャッシングとは、消費者金融からの融資を自分の指定する銀行口座に振り込んでもらってキャッシングする方法です。しかし、「振込キャッシング」は便利そうに見えて、とても不便です。なぜなら、振込キャッシングは銀行口座に入金が反映されなければ、お金を引き出すことはできないからです。
振込キャッシングは午後3時までの制限がある
学生ローンは振込キャッシングしか借入れ方法がないため、今日中にお金を借りるには遅くとも14:30までには契約を済ませ、15:00までに振込んでもらうしかありません。そのため15:00以降にお金が必要になっても、絶対お金を借りることはできないのです。
さらに金曜日の15:00以降にお金を振り込んでもらう場合は最悪です。銀行が休みに入ってしまうので、口座に反映されるのは翌営業日、つまり翌週の月曜日になってしまいます。これは土曜日・日曜日でも同じです。振込キャッシングでは、すぐにお金を使いたくても振込のタイミングにより、すぐにお金を手にすることができないことがあるのです。
学生ローンは卒業後も使えるが将来性は無い
学生ローンは学生が対象で、自然に利用者が少なくなっていきます。しかし学生期間中のみの利用でないといけないわけではありません。卒業してもそのまま借り入れができる業者も多く、長期の利用から信用度が高まり金利が低くなるメリットが出てくる場合もあります。一時的なお金が必要なタイミングだけでなく、長期に渡るマネープランに対して、学生ローンであっても対応できると考えてもよいでしょう。
限度額や金利などの制限が大きく、成人後は自然に解約へ
しかし学生ローンの限度額は最大で50万円なので、消費者金融や銀行カードローンと比べて限度額の制限は大きいです。また長期の滞納をしてしまうと郵便物が届きご家族にばれてしまうこともあります。50万円以上借りたい場合や金利を気にされる方は、消費者金融や銀行カードローンなど、限度額が大きい会社を使うことをオススメします。何を目的にお金を借りて、自分がどのようにお金を使っていくのかということをきっちりと考えて利用するようにしましょう。
消費者金融のカードローンが学生ローンよりおすすめな理由
では大手消費者金融の追加融資はどうでしょうか? 利便性の点から考えていきます。大手消費者金融の借入方法はだいたい下記の4つがあります。
- 消費者金融の専用ATM
- 提携コンビニATM
- 店頭窓口
- 振り込みキャッシング
これらの複数の方法があることで、24時間いつでもどこでもどれかの方法を使って追加で借入をすることができます。
この中でもっとも便利になるのはコンビニATMでしょう。コンビニといえば24時間営業です。提携ATM利用手数料はかかりますが、身近にあるコンビニでいつでも借入をすることができます。もちろん手数料無料のカードローンもたくさんあります。
24時間可能な銀行振込や提携ATM利用料も無料だったりします
また消費者金融や銀行カードローンは「提携銀行」といって24時間365日いつでも入金が反映される銀行があります。提携銀行に自分が口座を持っていれば、振込を依頼したその日のうちにお金を引き出すことができます。必要な時にすぐにお金を借りることができるのです。
カードローンは利用限度額まで何度でも追加で借り入れ可能
他にも消費者金融や銀行の「カードローン」では「ローンカード」が発行されます。ローンカードとはキャッシング会社が発行している借入専用カードのこと。「カードローン」は「ローンカード」を利用するキャッシングサービス(ローン)なので、「”カード”ローン」と言われるのです。
カードローンは決められた限度額の範囲内であれば、コンビニや銀行のATMからわざわざお金を振り込んでもらったり、銀行口座に入金が反映されるのを待ったりする必要もなく、いつでもお金を引き出すことができます。
カードローンには店舗以外にも自動契約機がある
消費者金融や銀行カードローンには夜遅くまで営業している自動契約機があります。たとえば自動契約機が22:00まで営業しているとします。ネットから申込みをし、21:30までに自動契約機に行けば、その場でお金を借りることができるのです。
すぐにお金を借りたい場合、学生ローンよりも消費者金融・銀行カードローンの方が圧倒的に使いやすいと言えそうです。
未成年で初めて借りるなら学生ローン!でも慎重に考えて!
多くの学生はお金を借りるということに慣れていないことと思います。返済をする、計画を立てる、利息を考えるということとも縁が無いでしょう。初めてキャッシングをするときには知らないことが多く、失敗することも考えられるのです。
ヤミ金かどうか下調べは入念に! 借り入れ後もチェックを
どの学生ローン専門業者も、大手消費者金融のように知名度が高いわけではありません。そのため不安に思うこともあると思います。いろいろな学生ローンの企業を調べるようにしましょう。そして実際に店頭を見てみることをおすすめします。怪しいと思ったらヤミ金の可能性もあるので避けてください。既に借りてしまって不安な場合には、金融庁のデータベースで検索・確認をしてみると良いでしょう。
学生ローンは未成年限定でおすすめ!どうしてもお金が必要な時のみ
20歳以上で安定した収入のある学生は「学生ローン」と「消費者金融」、そして「銀行カードローン」という複数の選択肢から、自由にお金を借りることができます。どれにもメリット・デメリットがあります。しかし、融資までのスピード、コンビニATMでの引出し、親バレへの対応などを含めて消費者金融・銀行カードローンを使った方が便利なのは間違いありません。
ですから、未成年でどうしてもお金が必要という事情がなければ、消費者金融・銀行カードローンを選ぶことをオススメします。