求職者支援制度は失業保険が受給できない時の助けとなる
求職中でなかなか仕事が決まらなくて困ってる!お金が無い!そんなときあなたならどうしますか?
求職中は「無職」ということで、キャッシングの審査にも通りませんよね。何かアルバイトを始めたら別ですが、そうでなければ、無職のままではキャッシング審査は通りません。しかしまだ希望を捨ててはいけません。
こういう時こそお金が必要なもの。給料がないのだから当然です。こうしたピンチをしのぐには、「求職者支援制度」を活用するのもおすすめです。どうやって利用すればよいか、その仕組みを見ていきましょう。
求職者支援制度は失業保険が受給できない時の助けとなる
失業すると、次に仕事が決まるまでの繋ぎとして失業保険の給付を受けられますが、会社で雇用保険に加入していなかったり失業保険の給付期間中に再就職先が決まらなかったりした場合生活に支障が出てしまう恐れがあります。
キャッシングなどをして凌げればいいのですが、失業中であれば新たな契約はできませんし、むやみな借入をしても返済の目途が立たなければクレジットヒストリー(信用情報)にキズを付けてしまうことにもなってしまいます。
求職者支援制度とは?
求職者支援制度とは、下のような内容です。
- 対象者…求職中の人
- 条件…失業保険の受給資格がないor終了した
- 内容…職業訓練を実施する&給付金を出す
というものです。手っ取り早く言うと「給付金がもらえる」ということですね。
「給付」なので、「融資」ではありません。つまり「返済しなくていい」ということです。失業中の人にとって、これはありがたい制度でしょう。この給付金を「職業訓練受講給付金」と言います。詳しくお話していきますね。
求職者支援制度は給付金と職業訓練の組み合わせ!
「求職者支援制度」は、失業保険(雇用保険)の受給資格がない、もしくは受給が終了してしまった場合に、早期就業を支援するためにハローワークの支援で職業訓練を受講し、その期間中に給付金を受け取るものです。職業訓練の受講は無料となっており、必要なテキスト代などに関しては実費となっています。
失業してハローワークへ行った時に、再就職しやすくするために資格習得を目指しつつ給付金を受け取る「技能習得手当」がありますが、これとは別の制度です。職業訓練受講給付金は、貸付ではなく給付金ですので、返済の必要はありません。
職業訓練給付金とは?
職業訓練受講給付金は、下のようなお金をもらえます。
- 月々の生活費、10万円
- 職業訓練に通う交通費
- 職業訓練は無料
かなり至れり尽くせりですが、もちろん職業訓練はそれなりに頑張らなければいけません。何より、その後の再就職が大変ですから。期間は「3~6ヶ月」なので、その期間に再就職できるだけのスキル・対人能力を身につける必要があります。
求職者支援制度で給付金を貰える期間は、どのような職業訓練を受講するのかによって変わりますが、概ね3カ月~6カ月が目安となります。
職業訓練の内容
職業訓練とは、労働しようとする人に、職業に必要な技能と知識を習得させるための訓練のことです。求職者支援制度の職業訓練では、「求職者支援訓練」または「公共職業訓練」が無料で受けられます。
求職者支援訓練とは、民間の企業・学校・NPOなどが実施する職業訓練のことで、基礎コース、実践コースがあり、訓練期間は3~6か月間です。
公共職業訓練とは、都道府県や雇用・能力開発機構が実施する職業訓練のことで、訓練期間は6か月~1年になります。
職業訓練受講給付金の対象者
職業訓練受講給付金をもらうには、条件があります。一覧にすると下の通りです。
- 失業保険の受給資格がない(もらえない)人
- 雇用保険被保険者ではない人
- ハローワークの指示で、求職者支援訓練または公共職業訓練を受講する人
- 収入が月8万円以下の人
- 世帯収入が月25万円以下の人
- 世帯の金融資産が300万円以下の人
- 住まい以外に土地・建物を所有していない人
- 全ての訓練実施日に出席する人(やむを得ない理由がある場合8割以上)
- 定期的にハローワークに来所し職業相談を受ける人
- 本人以外にも求職者支援制度を利用している家族がいない
- 過去3年以内に失業保険等を不正受給した事実がない
これらの条件を満たす必要がありますので、一緒に住んでいる家族がいて、その中で普通に働いている人がいる場合、4の条件に引っかかり受けられないケースが多いと思います。
簡単にいうと「一定以上のお金がない人」「しっかり職業訓練を受ける人」ということです。また「家族全体で見られる」というのもポイントですね。
- 世帯の収入・資産
- 家族で職業訓練を受けている人の有無
をチェックされる点でも、それがわかります。要は「世帯」を救うためのルールであって「個人」のための措置ではないんですね。もちろん、一人暮らしだったらその人個人が「世帯」なので、その点は問題ありません。
親と同居している人の場合、この「世帯年収・資産・不動産」の部分で引っかかるかもしれません。しかし、引っかかるということは「それなりに経済的な余裕がある」ということですから、むしろ喜ぶべきことでしょう。
求職者支援資金融資
月10万円の給付だけでは足りないという人は、求職者支援資金融資が利用できます。こちらは、貸付ですので、返済する必要があります。
求職者支援資金融資
- 窓口…ハローワーク
- 貸付条件…職業訓練受講給付金を受け取っている人
- 貸付限度額…月額10万円(同居の配偶者あり)or月額5万円(同居の配偶者なし)×受講予定訓練月数
- 金利…2.5%
- 連帯保証人…不要
金利が年2.5%かかりますので、それほど好条件とは言えませんが、銀行やキャッシングなどで借りるよりはそうとう低い金利ですよね。一般の消費者金融で借りると14.5%はかかります。
職業訓練受講給付金や求職者支援資金融資は、あくまで次の職が決まるまでの繋ぎですので、給付金を受け取る為に訓練を受けるわけではありません。
失業保険の給付金もそうですが、働く意志がないにもかかわらず給付金を受け取るのは不正受給と同じです。気をつけましょう。
まずはハローワークで相談しましょう
求職者支援制度に申し込むのはハローワークが窓口となりますので、最寄りのハローワークに相談します。
ハローワークでは、求職者支援制度がどのようなものかを説明してくれるので、しっかりと聞いておきましょう。場合によってはハローワークの判断で申し込みすらさせてもらえないこともあります。
就職にどのような職業訓練を受講したらいいのかを決めて実際に申し込みをするという流れになります。
審査は厳格!給付条件が比較的厳しいという一面もあります
求職者支援制度へ申し込んだからといって、それですぐに給付を受けられるわけではありません。月に1回、支給の申請日にはハローワークへ行って職業相談をしたという実績が無ければなりませんし、前述した通り出席率が悪ければ受給できません。
ただし、就職に有利な訓練を受けながら給付金も受け取れるという点は、かなり大きなメリットと言えるでしょう。給付制度なので、キャッシングのように返済しなければならないということもありません。
職業訓練受講給付金でなく、キャッシングがいい!という方には・・・
職業訓練受講給付金が便利なことはわかった。しかし、職業訓練に通いたくない。求職者支援資金融資も審査通過は難しい、という人もいるでしょう。
実際、お役所が用意する職業訓練がどこまで稼ぐのに役立つか、わからない部分もあります。そのため「職業訓練を受けず、普通にキャッシングでお金を借りる」という選択肢は、十分ありでしょう。
ただ、この場合冒頭にも書いた通り、「失業中=無職」なので、カードローン審査に通るのは難しいです。そのため、何かしらアルバイトをする必要があります。
まずは働き先を見つけましょう。キャッシングはそれからです
キャッシングやローンを組むときに必ず設けられているのが審査です。審査は貸し付けてくれる債権者側が申し込みをした、これから債務者になるというひとの返済能力を知るために、必要なことであり、また、避けては通ることができないことでもあります。
債務者、つまり申し込みをしたひとが審査に通過しカードローンを利用するためには、返済能力があるか無いかが問われるのです。返済能力とは、字のごとく借りたお金を返せるだけの力を言いますが、お金を返すためには、こちらの手元にお金があるという状態でなければなりません。
それは、つまり「収入」があることが審査で問われること、ということになります。求職の状態にある場合は、勤めていないので収入はゼロ。審査をしている担当者には「返済能力はない」と判断することは間違いありません。
でも、それは「収入があれば審査に通過できる可能性がある」ということでもあります。
求職中でもアルバイトで収入があれば審査に影響は全くありません!
就職が決まらないからお金に困っているというのに、と思うかもしれませんが、仕事は正社員などの正規雇用である必要はありません。収入があれば良いのですから、パートやアルバイトでも全く問題はないのです。
ただし、借り入れる金額やそれに伴う金利は通常のローンプランよりも、金額が低かったり金利が高く設定されている場合がほとんどになります。なので、高額なお金を借りるというよりは、少しピチな状態を補うというときの利用に適しています。
適したプランを選べば、アルバイトでも問題はないというのは、もちろんその通りなのですが、あまりにも行きすぎた借り入れをするとアルバイトなどの収入では返済が苦しくなってしまう可能性があります。そうならないためにも借入額と収入のバランスを良く考えて、返済をしながら、求職状態を早く抜け出せるようにしましょう。
求職中でも審査に通るケースとは?
キャッシングの審査で最も問われるのは、あなたの「返済能力」です。「安定・継続した収入があるか」これがキーポイントになります。無職で収入ゼロの人が審査に通ることはないでしょう。
基本的に、求職中だと審査に通る可能性はかなり低くなるといえるでしょう。復職の目処が経っていない場合は特に厳しいと思います。ただし、副収入がある、配偶者に収入があるなど、ケースによっては審査に通る可能性があります。
副収入がある場合
勤務先からもらうお給料とは別に副収入がある場合、それを申告すれば審査に通るかもしれません。ただしこの場合、源泉徴収票、所得証明書、確定申告書など 収入の証明となる書類の提出が必須となるでしょう。
ちなみに、書類で証明できない収入は、たとえ額が大きくてもNGです。例えばパチンコや競馬で得たような臨時収入は認められません。
副収入がある場合はそれを申告して申し込むことができそうです。ただし、審査通過の鍵は「安定的・継続的な副収入」であるかどうか。「安定的・継続的な副収入」であることを証明できないと、審査通過は厳しいものと思われます。
配偶者に収入がある場合
求職中で収入0でも、配偶者に収入がある場合は審査に通るかもしれません。これは、「夫婦の年収(合算)の3分の1までお金が借りられる」という「配偶者貸付」の制度があるためです。
配偶者貸付を利用するには、
- 配偶者の同意書
- 配偶者の収入証明書
- 婚姻関係を証明する住民票や戸籍謄本などの書類
これらの書類が必要になります。
ただし、たとえ配偶者の収入が安定していても、既に夫婦の年収(合算)の3分の1以上の借入れがある場合、新たなキャッシングは利用できません。この制度を利用するときは、自分と配偶者の借入残高を調べてから申し込むようにしましょう。
また、最近では配偶者貸付を実施していない金融機関が増えています。
クレジットカードを持っているならキャッシング機能が使えます
すでにクレジットカードを持っているのであれば、クレジットカードに付帯しているキャッシング機能を利用することができます。
大半のクレジットカードにはキャッシング機能がついています。利用限度額は数十万円とあまり高額ではない場合が多いですが、困ったときにありがたいですね。
クレジットカードキャッシングの金利相場は15%~18%なので、だいたい消費者金融で借りるのと同じくらいです。
もちろん、既にカードを持っているなら、改めて審査を受けたり申込みをする必要もありません。手持ちのクレジットカードのキャッシング利用方法を調べ、利用を検討してみましょう。
求職中にキャッシングを利用するときの注意点
求職中にキャッシングを利用する場合、どのようなことに気をつければいいのでしょうか?
まず第一に考えなければならないことは、返済をどうするかです。お金を借りたら利息をつけて返さなければなりません。
求職中ということを忘れず、計画的に利用すること
各金融機関の返済シミュレーションを利用するなどして、毎月ちゃんと返済していけるのかよく検討してから利用するようにしましょう。
また、キャッシングは「本当に困ったときだけ」「一時的な資金として」利用すること。これも大切です。自分は求職中で収入が無いということを肝に銘じておきましょう。
違法業者に注意
いくらお金に困っていても、絶対に利用してはいけない業者、サービスがあります。
まず「収入がない方OK!お金貸します」というような広告を出している金融業者がありますが、このようなところは絶対利用してはいけません。違法な金融業者です。
クレジットカードの現金化は絶対に使ってはいけない!
また、同様に「クレジットカードの現金化」にも絶対に手を出してはいけません。
クレジットカード現金化を利用してはいけない理由については、『キャッシングとクレジットカード現金化は何が違うの?』で触れています。カード現金化(ショッピング枠)を使うと自己破産もできなくなります。
求職にカードローンの審査は影響しない
カードローンの審査を受けたからと言って、求職に影響を与えるようなことは絶対にありませんし、求職活動中であったとしてもカードローンの審査は受けることが出来ます。そもそもこうした融資を提供している金融機関というのは大手の銀行グループも含まれているのです。サラ金業者のような怪しい会社が提供しているわけではありませんので、サービスに関しては国内で最も信用できる融資のサービスの一つだと言えます。
応募先はクレジット・ヒストリーを閲覧できません
では、なぜそもそもこのような話が出てしまうのでしょうか。それは、信用情報の審査と言う特別な審査があるからに他なりません。信用情報(クレジット・ヒストリー)というのは、債務者の債務の情報のことを言います。つまり、現状の借金の情報のことを意味するのです。お金を貸す金融機関は、相手に対して利息を含めたお金を返済してくれるだけの能力を持った者を求めますので、大きな負債を抱えていないことは最低条件になります。
そして、信用情報というのはこうした債務の情報を管理している情報のことを言いますので、信用情報は金融機関であるのならば専門の機関に照会を依頼することによってすぐに閲覧することが出来るようになっており、この情報を見ることによって相手の信用性をすぐに確認できます。
過去は気にしすぎないで堂々と応募しましょう
信用情報は、借金の情報だけではなく過去にどのような会社に対して融資の相談をしたのかなどと言った細かい情報も記録しています。そのため、既に他の会社に対して融資の相談をしている場合には次の会社でお金を借りるときには必ずその点を指摘されることになります。そのため、信用情報には多くの情報が掲載されていると勘違いをしてしまうわけです。
しかし、求職中であっても他にアルバイトなどの定期的な収入を得る仕事をしていれば何の問題もありませんし、当人が現在求職中であると言ったような情報は記載されていません。カードローンの審査は簡易的な条件しか存在しませんので、求職中であるかどうかは融資の条件としてはあまり関係がないわけです。そして、その情報が外部に漏れることは決してありません。
最後に・・・
求職者支援制度は求職者からすればとてもありがたい制度です。ですがだれでも利用できるわけではありませんし、働く意志がないにもかかわらず給付金を受け取るのは不正受給と同じです。
キャッシングを利用するにしても無職では審査に通ることは難しいでしょう。将来の自分を見据えて自分はどうするべきなのかしっかり考えてみましょう。